グスク雑文

人名について

2008/05/25〜
グスクに直接関係しませんが、人名に関することを書いてみます。
グスク時代に関しては直接の記録が無く、中国の史書や沖縄での伝承が殆どといえます。
人名は中国に伝わった際に当て字で記されています。

1. グスク時代の人名

もっとも多いものが地名、あるいは地名が中国の史書などで当て字となったものです。

1.1. 地名からの当て字の例

  • 承察度(うふさと)→大里(大里按司)
  • 汪英紫→八重瀬(八重瀬按司)
  • 英祖・恵祖→伊祖(伊祖按司)
  • 怕尼芝 (はにじ)→羽地(羽地按司)

1.2. 地名以外の当て字と言われている名前の例

  • 他魯毎→太郎思い
  • 尚巴志→小按司

1.3. 当て字と思われる名前の例

  • 亜蘭匏   あらんぽう(察度王統の王相)
  • 阿布耶
  • 甚模結致
  • 屋芝結
  • 嵬谷致
  • 麻州
  • 壽禮結致
  • 段志莓
  • 葉希尹
  • 麻奢理
  • 誠志魯
  • 三五郎尾  さんぐるみ
  • 住姑那
  • 隗谷結致
  • 石達魯

上記は中山世譜などから拾ってきた人名です。
これ何って読むの?って思ってしまうような名前ばかりですが、「結致」が目立ちます。何らかの称号のようなものだった可能性がありそうです。

1.4. 後世に付けられたと思われる名前の例

  • 真武(大城按司)

麻姓家譜には眞武(大城按司)
童名思武太金唐名麻普蔚

このように記されています。

2. 第二尚氏時代の人名から考える

第二尚氏時代、士族の名前は下記のように構成されていました。

  • 采地+位階+名乗
  • 唐名(からな:大陸向けの名前)
  • 童名(わらびな:所謂幼名)

真武を上記に当てはめると
大城(采地)按司(位階)真武(名乗)
麻普蔚(唐名)
思武太金(童名)

一見問題ないように見えますが、この名乗り方は第二尚氏時代 尚貞王の治世に系図座を設けた際に確立したものです。
当時から唐名があるなら大陸向けにそう名乗っているはずで地名の当て字が名前として残るとは考えにくいですし・・・
上記のうち、唐名と名乗は系図座とともに定められ、その際に付けられた名前と思われます。
グスク時代当時は主に童名を使っていたようです。公的には領地+称号だったのでしょうが、名前として用いるのは童名だったようです。


余談ですが、第二尚氏時代の人物名はほとんどが采地+位階か采地+名乗になっています。
例・采地+位階

  • 謝名親方(利山)
  • 野国総官(名乗不詳)

例・采地+名乗

  • 儀間(親方)真常(麻姓・真武の子孫)
  • 羽地(按司)朝秀(王族)

例・唐名

  • 蔡温(具志頭親方文若)